査定価格≠売却価格ではないという現実・・・
最近、不動産業界においてもホームページ上でAI査定や簡易査定できることが増えましたね。
そのホームページを運営しているのも不動産会社であったり、ポータルサイトと言われる紹介会社が運営している場合もありますが、「査定金額」に大きな違いはあるのでしょうか?
実は、どの不動産会社が査定したとしても基本的には大きく差があるわけではありません。
一般的に不動産会社は「取引事例比較法」という手法、つまり過去の販売データ(=成約価格)をベースにそのエリアの「相場」で判断しているので、どの業者が査定しても本来あまり金額に差が出るものではありません。
では、なぜ一括査定サイト等で複数社に査定依頼をした場合、業者ごとに「査定金額」が異なるのでしょうか?
不動産業界の裏側
それは…売主であるあなたに「気に入られようとしている」からです。
その行動が本当に営業努力で売主様のお役に立っているのであれば良いことなのかもしれません。しかし、ただ気に入られたいがために本来の「相場」からかけ離れた高い「査定金額」を提示し(=業界用語で「高預かり」と言います)、結局数か月後に数百万円価格ダウンしてやっと売れた…ということであれば、その数か月間が非常にもったいないですよね?
その数か月の間にも固定資産税はかかってきますし、何よりも「本当に売れるのかな…」という不安は続きます。
それだけではありません。「高預かり」されている物件はいわゆる「当て物」(=買う気がないのに内見される物件。本命物件の引き立て役です)にされがちです。内見されているのに売れない物件や販売期間が長いのに売れていない物件は「何かあるのでは?」というレッテルを張られてしまいます。
そして、「売れていないので価格を下げましょう」と言われて「査定金額」よりずっと低い金額でしぶしぶ売却することになるのです。
価格が下がったのなら仲介手数料も減るので不動産業者も損なのでは?と思われるかもしれません。
しかし、不動産会社の本当の目的は仲介手数料の両取り、いわゆる「両手仲介」なのです。売主からの仲介手数料の金額は確かに減るのですが、一旦受託(=売主からの売却依頼)を受ければその情報を「囲い込み」して売主からだけではなく買主からも仲介手数料をもらえるようにしたいのです。
そのために、到底高すぎて売れないとわかっているのにもかかわらず高い「査定金額」を提示して気に入られ、とりあえず受託(※売却依頼すること)してしまおうという作戦なのです。
売主様のご希望は「早く高く売りたい」にも関わらず…
失敗しない不動産売却のポイントとは?
申し遅れました。大分市で地元密着型の不動産会社を運営しているハウスドゥ大分明野店と申します。少人数の店舗ではありますが、地元の皆様に安心して不動産取引をしていただけるよう頑張っております。
さて、それでは希望に近い金額で売却するにはどのようにすれば良いのでしょうか?
まずは、「相場」を理解することがとても大切です。
買主様はなるべく安くてじっくり選びたい、売主様は早く高く売りたいのが人情ですね。そこで、その折り合いの一つの基準となるのが「相場」なのです。
ただし、日本の不動産情報は完全にデータベース化されているわけではないので、やはり頼りになるのは地元密着で営業している不動産会社です。
大手不動産会社もブランドがあり信頼感はあるのですが、地域で活動している不動産会社は転勤もなく、同じエリアの物件情報を多数取り扱っているので、データ上だけではなく、町ごとの相場や情報をを熟知しているでしょう。
信頼できる不動産業者とは?
では、どのような不動産業者が頼りになるのでしょうか?
人それぞれポイントは違うとは思いますが、主に3つあげられます。
信頼できる不動産業者
- 金額の提示や提案してくる販売プランに根拠と妥当性がある
- 担当者に熱意と知識や客観性がある
- 囲い込みをしていない
まず、希望条件に近い価格で売却するには販売活動に戦略が必要です。売主様の立場に立って「3つの価格」「4つの販売プラン」をしっかり提案してくれる業者が良いでしょう。
そして売主に迎合して単に「頑張ります」というだけの担当者では希望する売却は出来ません。プロとして客観的に相場と希望価格で大きく異なるのであれば違うとハッキリ説明してくれる業者が頼りになるでしょう。
また、売却物件は「レインズ」という不動産業者専用サイトに登録が原則必要です。登録していなければ法令違反です。「両手仲介」をしたいがために「囲い込み」をしている業者も現実にはいます。「レインズ」に登録すれば他の不動産会社も販売活動をしてくれるのですが、自社の利益のためだけに法令すれすれのことをやっている業者に依頼はやめましょう。